大東流合気柔術について

大東流は江戸時代御式内の名で会津藩上級武士、藩士の護身武術として修業され、
江戸時代は門外不出とされていた柔術であります。
明治前半剣術家であった郷士武田惣角源正義先生が家老西郷頼母の意を受けられ研鑚、
それに全国の武者修行で体得した武術と理合を加え完成されたのが今日の大東流合気柔術であります。

舊会津藩家老西郷頼母助言指導を受け、明治３１年頃より本格的に柔術家として活動を開始され
明治、大正、昭和と門弟３万余人と言われ、陸海軍少将、中将級軍人から警察署長等、裁判所判事にいたる多くの人材を育成されました。
弟子の中には合氣道開祖植芝盛平氏、八光流柔術宗家奥山龍峰氏、日本新英体道同主井上要一郎氏。
大東流にあっては高橋儀右衛門、松田豊作、吉田幸太郎、佐川幸義、前菊太郎、堀川幸道、
宗家武田時宗、佐藤啓輔、中津平三郎、阿久津政義、大東流総主山本一刀斎角義など逸材を排出しました。

今日では多くの派、系統が全国的、世界的に大東流合気柔術系武術（合気系武術）として発展しています。
大東流合気柔術には他の日本柔術には見ることの出来ない合氣之術、氣之合氣があります。
　武田惣角先生は、会津の小天狗と称されるほどの実力を持ち、明治、大正年代全国武者修業で荒行、滝行をされ
山岳修験者山伏のような人物にも師事されたと言われ、杖（短槍術）など陰陽道の極意的な武術を伝承され、
さらなる剣の極意をもって大成されたのが高度な武術としての大東流合気柔術であります。
武田惣角先生は、昭和4年に竹下海軍大将が「武田惣角武勇伝」を実名雑誌に公表したことをきっかけに、
昭和5年、摩訶不思議の術を使う人物として東京朝日新聞に報道され一般に名が知られるようになりました。
今日不思議の術と言われる本格的な合氣之術を使う人物は不明でありますが、
普通合氣と云っている力抜きの呼吸投げ技を使う師範方は多く見受けられます。